【過去記事】バリアを持たないハモンドは何故メインタンクとして成り立つのか
【1】メインタンクの定義
オーバーウォッチのタンクは、メインタンクとサブタンクに分類することが出来る。そのうちメインタンクとは、戦線の最前線に位置取りチームのエリアを広げることができるヒーローのことである。
ハモンドが登場するまで、メインタンクはウィンストン、ラインハルト、オリーサの3体だった。
これらのヒーローは一様に大きなバリアを持っており、バリアを張りながら前進することでエリアを広げることができる。それはバリアに依存する戦術であり、バリアこそがメインタンクのアイデンティティだった。
しかし、ハモンドの登場でその常識は覆された。ハモンドはバリアを持たないヒーローでありながら、チームのエリアを広げるメインタンクとして運用されている。いったいどうやって、ハモンドはバリアを用いずにエリアを確保しているのだろうか。
【2】ハモンドの性能
結論を話す前にまずはハモンドの性能を確認しておこう。
ハモンドの能力で最も特筆すべきものは機動力だ。ロールモードとグラップリングフックで戦場を縦横無尽に駆け回り、好きなタイミングで好きな場所にアクセスすることができる。
また、攻撃アビリティは全て範囲攻撃となっており、同時に複数の敵に影響を与えることが出来る。
耐久面に関しても、アダプティブシールドでHPは瞬間的に1000を超える。
【3】ハモンドのエリア理論
では、それらの性能を踏まえたうえでハモンドがどのようにエリアを確保しているのかを説明していこう。
従来のバリアを用いてエリアを広げる方法は、バリアで遮断することで強制的に敵の射線を切っていると言える。射線が通らないエリアは自チームのエリアとは言えない。そして、射線とは即ち視線である。
ハモンドはその視線を自分に向けさせることで自チームのエリアを確保するのだ。
それを図で表すとこのようになる。
最初、敵の視線は味方に向けられている。
しかし、ハモンドが敵陣に突っ込むと、それに対処しようと敵はハモンドの方を向く。
するとその瞬間、正面を向いている敵はいなくなり、味方は自由に動き回ることができるようになる。
これがハモンドのエリアの確保だ。表現としては、自チームのエリアを広げると言うより敵のエリアを狭めると言った方が正しい。言うなればハモンドは囮なのだ。
そして、ハモンドのアビリティはこの理論に非常に合致していると言える。
高い機動力は一瞬で敵陣の奥深くまで到達するために、また、そこから離脱するために。耐久力は敵の一斉攻撃を受けながらも生き残るために。範囲攻撃はより多くの敵の意識をこちらに向けるために。
どれかひとつでも欠ければこの理論は成り立たない。ハモンドはそれほどまでに完成されたヒーローでもあるのだ。
【4】役割をこなすために
ここまで説明してきたように、ハモンドは敵の注意を引けなければ仕事をしているとは言えない。
例えば、敵にソンブラ、マクリー、ロードホッグなどのCC*1持ちが大勢おり、突撃しても一瞬でやられてしまい、味方が攻める隙もないという場合は十分に敵の注意を引けているとは言い難い。そのような時はもう少し消極的な立ち回りに変えるか、ヒーローを変更してバリアを用いた方法でのエリア取りを試すのが良いだろう。
他に良くある例として、敵がハモンドを無視して他の味方を攻撃し、味方が先にやられてしまうという状況が挙げられる。そのような状況では、ハモンドにはより積極的な立ち回りが求められる。ハモンドはバリアが無い分、それを補えるだけの影響を戦場に与えなくてはならないのだ。つまり、「あのハモンドを放っておくと確実に負ける」と思わせるようなプレッシャーを掛け続ける必要がある。そのプレッシャーをかけられないのなら、これもまたヒーローを変えた方がいいだろう。
【5】まとめ
この記事の要点をまとめると...
- ハモンドは敵の注意を引きつけることでエリアを確保する
- 十分に注意を引けないのなら変えたほうがいい
この2点が重要だ。これさえ押さえておけば最低限ハモンドのロジックを理解したと言えるだろう。
また、自分がハモンドを使わないという人でもハモンドが味方に来ることは当然ある。そんな時に、この記事に目を通しておいたことが役立つかもしれない。