【過去記事】メインタンクは味方を守らない
- 【1】メインタンクの役割
- 【2】エリアを広げるとはどういうことか。
- 【3】エリアを広げることと味方を守ることの違い
- 【4】では、どうやって前に出るのか
- 【5】エリアを広げたあと何をするか
- 【6】まとめ
【1】メインタンクの役割
一般に、タンクは味方を守るのが仕事だと認識されているが、それは違う。メインタンクの仕事は味方を守ることではない。それはサブタンクの役目だ。
メインタンクの最も重要な役割は自チームのエリアを広げることである。
【2】エリアを広げるとはどういうことか。
「 エリアを広げる」とは、味方が自由に立ち回れる領域を確保することを指す。自由に立ち回れる領域が増えればそれだけキルを取れる可能性が増す。例えば、ハナムラAの攻撃では青色の範囲が自チームのエリアである。
この状態で味方のDPSがキルを取れる可能性はとても低く、取れるとしたらウィドウメーカーのワンピックなど、個人技に依存するものに限られる。
しかしここでラインハルトがバリアを張ったまま前進するとエリアはこのように広がる。
すると味方のDPSは自由に動き回れるようになり、キルを取れる可能性がぐっと上がる。
これがエリアの確保である。メインタンクの行動原理は全て、味方のDPSを活かすことに帰属する。DPSが仕事をすることができる状況を作り出すことがメインタンクの仕事なのだ。
【3】エリアを広げることと味方を守ることの違い
エリアを広げることと味方を守ることは、どちらも味方の前にバリアを張っているという点については同じだ。しかし、その2つには決定的な違いがある。
味方を守るとはどういうことか。例えばこのようにバリアを張っているとしよう。
この状態ではバリアの後ろにいる限り敵から攻撃を受けることはないので味方を守っていると言える。
では次に、この図においてそれぞれのチームが保持しているエリアを可視化してみよう。
ほとんどが敵に占領されており、味方が使えるエリアは僅かしかないことが分かるだろう。これが味方を守るメインタンクの弱さだ。
つまり、エリアを広げることと味方を守ることの違いは、バリアを張った状態で前に出るか否かである。いくら味方を守ったところで、キルを取れなければ試合には絶対に勝てない。メインタンクは守備的要員ではなく、攻撃を仕掛ける為の要員なのだ。
メインタンクは前に出なければ意味が無い。メインタンクは味方を守らないとは、そういうことだ。
【4】では、どうやって前に出るのか
もしバリアの耐久が無限だったならばここまでの内容を実践するのに大した苦労はないだろう。しかし、現実はそうではない。バリアは有限のリソースだ。前に出たくてもすぐにバリアが割られて思うようにいかないこともあるだろう。
それを解決する手助けとして3つのアイデアを提示したい。
- 無駄なタイミングで消費しない
- 攻撃をHPで受ける
- 遮蔽物を利用する
順に説明していこう。
①が指す無駄なタイミングとは、グループアップをする前のことである。味方が集まっていない段階でバリアを消費してしまうと、いざ前進しようというタイミングで最初からバリアの耐久が減ってしまっているという事態に陥ってしまう。
そうならない為には、グループアップ中は不用意に顔を出さないことだ。もしそのタイミングで味方が死んでしまっても、それはバリアを張らなかったあなたが悪いのではなく、不用意に顔を出したそいつが100%悪いので気にする必要は無い。
次に②について説明する。
バリアが割れたとしてもHPが0にならなければ死ぬことは無い。だからバリアの耐久よりHPの方が重要度が高い。そう考えるプレイヤーもいるのでは無いだろうか。
だがそれは間違いである。なぜなら、戦闘中においてHPは回復するがバリアは回復しないからだ。当然の事だが、サポートはHPしか回復させることが出来ない。バリアを回復させるには一時戦線離脱して自然回復を待つしかないのだ。切羽詰まった状況では戦線を離脱する余裕はないだろう。そうなった時、バリアの有無が生死を分けるのである。
具体的には、HPで受けるときはバリアを下げたまま前進するのではなく、バリアを出し入れしながら前進するのがいいだろう。そうすることでバリアとHPでバランスよくダメージを受けつつバリアを張り続けたときより素早く移動することが出来る。
そして最後に③だ。
①と②を実践しても、戦闘が長引けばいずれバリアは割られてしまう。そういうときは地形を上手く利用するのだ。例えばアイヘンバルデのAの攻めでは、これらの遮蔽物が使いやすい。
戦闘が起こる場所は毎回ほとんど同じなので、それぞれのマップで使えそうな遮蔽物を予めピックアップしておいてその中から選択するのが良いだろう。
【5】エリアを広げたあと何をするか
十分なエリアを確保できたら、バリアを張り続けるのではなく自身も攻撃に参加するのが望ましい。【2】で述べたように、エリアを広げる目的は味方が自由に動き回れるようにすることだが、そこにはメインタンク自身も含まれている。メインタンクはメインタンクが火力を出すためにもエリアを広げるのだ。
バリアを下げたらエリアが維持できないのではないかと疑問に思う人もいるかもしれないが、そんなことは無い。エリアはキャラクターがそこにいて影響を与え続ける限り維持される。影響を与えるとは即ちダメージを出すことだ。だからメインタンクはエリアを広げ終わったら、死なないように自分のHPを気にかけつつダメージを出すべきなのだ。
ただし、敵にウィドウメーカーがいる時は話が別だ。ウィドウの射線が通っている間は常にバリアを張り続けるべきだ。その間に味方にダメージを与えてもらうかフランカーに絡みに行ってもらい、ウィドウの射線が切れたことを確認してから自分も攻撃に参加するのが良い。
【6】まとめ
この記事の要点をまとめると...
- メインタンクは前に出ることが仕事
- 前に出たらダメージを出す
この2つのことさえ押さえておけば、あなたは最低限メインタンクとしての役割をこなしていると言える。死なないことも確かに大切だが、それ以上に勝つことが大事なのだ。メインタンクが死んでもチームが勝てば、それはメインタンクの勝ちなのである。
この記事では基本的にラインハルトを想定したエリアの広げ方を説明したが、それはラインハルトが一番分かりやすいからであって、理論自体は全てのメインタンクに通ずるものだ。それぞれの特徴を抑えた上で今回の話に置き換えてもらえば、どう立ち回ればいいか自然と分かるはずだ。