【過去記事】ロールの分類と定義
オーバーウォッチのヒーローたちは、一般的に「タンク」「ダメージ」「サポート」の3つのロールに分類されます。
しかし、競技シーンなどでは、より細分化した分類をされることがあります。
今回は、競技シーンでの各ロールの呼び方とその定義について書いていこうと思います。
【1】タンク
タンクは「メインタンク」と「フレックスタンク/サブタンク」に分けられます。
フレックスタンクとサブタンクは、呼び方が違うだけで意味は同じです。
日本だとサブタンクと呼ぶ人が多いと思いますが、海外ではフレックスタンクと呼ばれることが多いので、海外の文章を読む際はそういうものだと思ってください。
フレックスタンク=サブタンクです。
さて、次はそれぞれの定義についてです。
以前は単純に、バリアの有無でメイン/サブの分類ができましたが、レッキングボールとシグマの登場で、その分類方法は破綻してしまいました。
現在では、「前線を上げられるヒーロー」のことをメインタンクと呼び、そうでないヒーローをフレックスタンクと呼びます。
具体的には、ラインハルト、ウィンストン、オリーサ、レッキングボールがメインタンク、それ以外がフレックスタンクに分類されます。
ラインハルト、ウィンストン、オリーサは、バリアを使って前線を上げ、レッキングボールは戦場をかき乱すことによって前線を上げます。
また、基本的にタンクロールからは、メイン/フレックスからそれぞれ一体ずつが選出されます。
メイン/メインでは火力や味方を守る能力が足りず、フレックス/フレックスでは、前線が上がりません。
そのため、メイン/フレックスはヒーローの分類であると同時に、プレイヤーを指す呼び名でもあります。
例えば、サンフランシスコショックの場合、メインタンクのSuper、フレックスタンクのChoihyobin、と言った使われ方をされます。
【2】ダメージ
ダメージは「ヒットスキャンDPS」と「フレックスDPS/プロジェクタイルDPS」に分類されます。
フレックスDPSとプロジェクタイルDPSは同じ意味です。
どちらを使っても意味は通じますので、自分にとって馴染み深いほうを使うのがいいと思います。
「DPS」とはDamage Per Secondsの略で、一秒あたりに与えるダメージ量という意味です。
そこから転じて、ダメージを稼ぐロール全体のことをDPSと呼ぶようになりました。
ですから、公式のロール分類である「ダメージ」は、一般的には「DPS」と呼ばれています。
ダメージ=DPSです。
注意点として、「ダメージ」という単語を見ただけでは、本来の意味である「損害の具合」を指しているのか、オーバーウォッチでの「ロール」のことを指しているのかわかりませんし、「DPS」という言葉が、「一秒あたりに与えるダメージ量」を指しているのか、「ロール」を指しているのかも分かりません。
非常にややこしいですが、この辺りは、文脈で判断してください。
「ヒットスキャンDPS」とは、弾速がないダメージヒーローのことを言います。
弾速がないというのは、「弾速0」という意味ではなく、「弾速という概念が設定されていない」という意味です。
例を挙げると、ソルジャー、アッシュ、ウィドウメーカーなどです。
これらのヒーローの攻撃は、撃った瞬間に敵にヒットするため、偏差撃ちがいらないという特徴があります。
安定した火力を出し続けられる反面、瞬間的なDPSは低く設定されているヒーローが多いです。
反対に、「プロジェクタイルDPS」は、弾速があるダメージヒーローです。
ゲンジ、ハンゾー、ファラなどがこれに分類されます。
プロジェクタイルDPSは、偏差撃ちが必要であり、難易度が高いヒーローが多いですが、瞬間的なダメージは高めに設定されています。
構成として見た場合、ヒットスキャン/フレックスからそれぞれ1体ずつ採用する構成がバランスが良く、一般的ですが、ヒットスキャン/ヒットスキャンやフレックス/フレックスが採用されることも少なくないため、プレイヤーの呼称としては、若干使いづらさがあります。
形の上ではフレックスDPSの誰々と呼ばれることもありますが、フレックスDPSだからと言ってヒットスキャンをピックしないわけではありません。
そのため、ヒットスキャン/フレックスはヒーローを分類する呼び方として使い、プレイヤーは単にダメージやDPSと呼ぶのが丸いと思います。
【3】サポート
サポートは「メインサポート」と「フレックスサポート/サブサポート」に分けられます。
ここでも、フレックスサポートとサブサポートは同じ意味です。
ただ、サポートの場合注意しなければならないのは、海外と日本でメインとフレックスが逆の意味で使われているということです。
日本でメインサポートと言ったらアナやバティストのことを指しますが、海外ではルシオやブリギッテのことを指します。
なぜ日本と海外で全く反対の呼称が使われるようになったのかは、以前AKIHABARA ENCOUNTでコーチをされていたSethさんの記事に詳しく書かれていたので、そちらを読んでいただけると幸いです。
ちなみに、ここまで何の説明もなく使ってきた「フレックス」という呼称についてもこちらの記事で説明されていますので、合わせてご確認いただければと思います。
理由は興味ないという人はとりあえず、日本と海外ではメインとフレックスが逆ということだけ認識しておいてください。
なお、この記事では、海外の呼び方に合わせて呼称するので、ご了承ください。
さて、メインサポートの定義ですが、個人的に「ヒールよりサポートに重きを置いているヒーロー」を指すのかなと思っています。
ここで言うサポートというのは、味方への補助能力です。
例を挙げると、ルシオの移動速度上昇、ブリギッテの対フランカー性能、マーシーの単体へのヒール/ダメージブースト/蘇生です。
反対に、フレックスサポートは「サポートよりヒールに重きを置いているヒーロー」を指していると思います。
具体的には、アナ、ゼニヤッタ、バティスト、モイラです。
もちろん、彼らにも補助の仕事はありますが、豊富なヒール能力を持っているため、全体としての貢献度で言えば、ヒールの方が上だと思います。(ゼニヤッタはヒール量的に怪しいところありますが、心頭滅却含めてヒールメインということにしてください。)
海外ではルシオなどをメインサポートと呼ぶ、という話に戻るのですが、その理由に、ロールの名前が「ヒーラー」ではなく「サポート」だから、というのもあるのではないかと思っています。
仮にロール名が「ヒーラー」だとしたら、「メインヒーラー」は間違いなくアナたちになると思います。
しかし、オーバーウォッチにおいては、「ヒーラー」ではなく「サポート」という名前が与えられています。
となると、「メインサポート」がルシオとなり、「フレックスサポート」がアナとなるのにも、納得できるのではないでしょうか。
日本では、しばしばサポートのことをヒーラーと呼んでいる場面を見かけるので、そこで混同して逆になってしまったのではないかと思います。
閑話休題。
構成の話です。基本的にはメイン/フレックスからそれぞれ一体が選出されます。
メイン/メインではヒール量が足りず、フレックス/フレックスでは全体の攻撃力が低かったり、回復を互いに食い合ってウルトが溜まりづらかったりと問題があります。
ただ、ゼニ/バティ構成などで、ゼニヤッタがメインとして採用されることもありますが、これはゼニヤッタの汎用性が高いだけで、基本的にはメイン/フレックスで一体ずつという認識で間違いないです。
そのため、メイン/フレックスはプレイヤーの呼び方としても使えます。
メインサポートのVIOL2T、フレックスサポートのTwilight、と言った形です。
【4】まとめ
まとめです。
- 前線を上げることができる「メインタンク」
- 前線を上げることができない「フレックスタンク/サブタンク」
- 弾速がない「ヒットスキャンDPS」
- 弾速がある「フレックスDPS/プロジェクタイルDPS」
- 補助がメインの「メインサポート」
- 回復がメインの「フレックスサポート/サブサポート」
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追記
海外のゲーム版wikipediaことLiquipediaのオーバーウォッチのページに、ロールの分類について書いてありました。
これによると、バティストはフレックスサポートではなくメインサポートみたいです。
読んでみると(google翻訳なので間違っている可能性ありですが)、
メインサポート=
・常に回復やスピードなどの効果を発揮できる(クールダウンがない)スキルを持つ
・最も多くヒールできる
フレックスサポート=
・高度なメカニカルスキルが要求される
・クールダウンを必要とするデバフスキルを持つ
ex)アナのバイオティックグレネード、ゼニヤッタの不和のオーブ
とのことです。
一応規模の大きいサイトなのでこれが正解だとは思うのですが、正直個人的にはあまり納得できない分類でした。
メインサポートの特徴として挙げられている、「恒久的な効果(クールダウンがない)」を持っているのはルシオとマーシーだけで、ブリギッテとバティストは能動的に発動させるスキルしかありません。
「最も多くヒールできる」というのも、違和感がありますね。
マーシーやルシオを普通に使っていれば、銀メダルになるはずです。
フレックスサポートの特徴である、「デバフスキルを持つ」というのも、納得しがたいです。
阻害瓶と不和のオーブは理解できますが、モイラのオーブをデバフとするのは少々無理があるように思います。
単に「ダメージを与えるスキル」=「デバフ」と捉えるのだとしても、ブリギッテのバッシュやウィップショットは当てはまらないのか?と思ってしまいます。
このようにいろいろと違和感のある分類ですが、ページ内には、
・ロールの定義は流動的に変化する
・構成によってはもう片方のロールとすることもある
といったことも書かれているので、上記が絶対的な定義ではないということなのかもしれません。
難しいですね。