サクさんは語りたい

オーバーウォッチの上達に役立つ情報を記事にしています。タンクとデータ、Tipsが得意分野です。

【過去記事】実力がない奴は構成を語るな

 

【1】構成の沼

 

個性的なキャラクターが数多く登場するオーバーウォッチというゲームにおいて、キャラ同士の相性は重要だ。味方とはシナジーがあり、敵には優位を取れる相性の良さがあると、戦況を有利に進めることが出来る。

 

キャラ同士の相性というのはオーバーウォッチの魅力の一つであり、MOBAには無くてはならない要素でもある。

 

そしてその相性をチーム単位で見たものが構成だ。これまでにダイブ構成やハルザリ構成、二枚盾構成など、様々な構成が生まれてきた。中でも、その環境で最も優れていると考えられている構成をメタ構成と呼び、形を変えながら常に環境のトップに君臨してきた。

 

プロや上位ランカーはこぞってメタ構成を使い、大会ではメタ構成のミラーマッチしかないこともざらだった。それほどまでにメタ構成は絶対的な力を持っていた。

 

私も一時期その魅力に取り憑かれ、必要以上に構成に拘っていた。しかし本質的には、構成を語る前に、もっと重要なことがあるのだ。

 

 

【2】構成では実力の壁は越えられない

 

さて、構成より重要なことは何かという話だが、この記事のタイトルでお察しの通り、それは実力だ。

 

ことオーバーウォッチにおいて、構成は絶対に実力を越えられないのである。

 

この事実を顕著に表す例を挙げよう。

 

レート3000のチームとレート4000のチームがあったとしよう。この2チームが戦った場合、どちらが勝つだろうか。普通に考えれば4000のチームが勝つだろう。

 

では、3000のチームがメタ構成を使い、4000のチームは6サポートという構成だった場合はどうだろうか。

 

正解は、4000のチームが勝つのである。

 

では今度は、お互いレート3000のチームであり、片方はメタ構成を使い、もう片方は6サポートだった場合はどうなるだろうか。

 

もちろん、メタ構成を使ったチームが勝つだろう。

 

これが実力と構成の関係だ。

 

構成は、同じ実力を持つ者同士の戦いにおいて影響力を発揮するものであり、そもそも実力の差がある場合には意味を成さないのだ。言うなれば、構成とはせいぜい、勝つための小細工なのである。

 

実力差のあるマッチアップで、小細工が通用するはずも無いことは明白だろう。逆に実力が拮抗したマッチアップでは、小細工の差が勝敗を分けることもあるだろう。

 

つまり、最終的に勝つためには実力が必要不可欠なのだ。実力が備わって始めてステージに立てるのであって、実力がないから構成で勝つなどと言う考え方は間違っているのである。

 

 

【3】実力の具体例

 

OTP*1でグラマスに到達している人がいるという事実には、正しくこの考え方が当てはまる。

 

OTPは構成を無視した考え方であるが、それでも上に上がれる彼らにはそのハンデをものともしないだけの実力があるのだ。

 

彼らは一般的には害悪なプレイヤーとして認識されることが多いが、それは他のプレイヤーと戦い方が違いすぎて連携が取りづらいからであって、弱いからでは決してないのである。

 

ただし、OTPという考え方には限界がある。その証拠に、オーバーウォッチリーガーにOTPは一人もいない。突き詰めると人間に実現可能な実力には底があり、そこから更に上に上がるには構成に手を出すしかないのだ。

 

 

アンチヒーローの概念を扱う上でも、この考え方は非常に役に立つ。

 

例えば、自分がウィドウメーカーのOTPだったとしよう。敵にアンチヒーローであるハモンドがおり、ウィドウが機能していない。そこであなたは、ハモンドアンチヒーローであるソンブラにピックを変更した。

 

ここで考慮しなければいけないのが今回のトピックだ。

 

実力というのはヒーロー毎に異なるものであり、例えあなたがアンチヒーローを出したとしても、そのヒーローの実力が伴っていなければ、それはアンチヒーローたり得ないのだ。

 

今回の場合、敵のハモンドからすれば下手なソンブラを出されたところで大した障害にはならないのである。それならば寧ろ、上手いウィドウを出され続ける方が幾分厄介だっただろう。

 

だからアンチヒーローというのは、ただ出せば良いというものでもないのだ。きちんと練習し、実力の伴ったアンチヒーローでなければ出す意味はないのだ。

 

 

【4】構成は蔑ろにしてもいいのか

 

ここまでの内容ではまるで、実力さえあれば構成なんてどうでもいいと言っているように聞こえるかもしれない。しかし決してそんなことはない。構成を考えることには絶対的なメリットが存在する。

 

それは以下の4つだ。

 

①ピックプールが増える
②戦術への理解が深まる
③より高いレベルに身を投じることが出来る
④勝つ喜びを味わえる

 

 

①ピックプールが増える

 

扱えるヒーローが増えるということは、様々な環境に適応出来るということだ。刻一刻と環境が変化していくオーバーウォッチにおいて、長期間に渡って同じ水準を維持するにはピックプールは必要不可欠だろう。

 

 

②戦術への理解が深まる

 

もし自分が同じヒーローばかりを使い続けていたら、戦術のバリエーションは増えないだろう。しかし、様々な構成でプレイすることで新たなアプローチの方法や強い戦い方を身につけることができる。その発見や学びは、環境が変わったとしても活かせる場面は必ずある。そういった知識を蓄えることで戦術への理解が深まるのだ。

 

 

③より高いレベルに身を投じることが出来る

 

例えば初めてプラチナからダイヤに上がった時、ダイヤ帯のレベルの高さに驚いたのでは無いだろうか。そして、そこでの試合を繰り返すことでそのレベルでの戦い方を覚え、成長してきたはずだ。多少背伸びをしてでも上のランクを体験することは必ず自身の成長に繋がる。構成を変えることで届く距離ならば、一歩踏み込んでみるべきではないだろうか。

 

 

④勝つ喜びを味わえる

 

ここに来て精神論かよ、と思うかもしれないが、勝利体験は成長には欠かせない要素である。負けが込むとモチベーションの低下や本来正しいはずの立ち回りにすら疑問を覚えてしまうなど悪循環が始まってしまう。そして何より、勝てなければやっていて楽しくないだろう。楽しくないゲームなど、誰がやろうと思うだろうか。目先の勝利も、積もれば長期的なゲームプレイに繋がるのだ。

 

 

【5】まとめ

 

この記事の要点をまとめると...

 

  • 構成は実力が拮抗した戦いに勝つための手段
  • 一方で、構成を考えることは戦術面での成長に繋がる

 

以上の2点を押さえておくと良いだろう。つまり実力も構成も、どちらも蔑ろにするべきではないのだ。

 

 

 

 

 

【〆】あとがき

今回、記事のタイトルに強めの語感を使ってしまったため誤解を招いてしまったかもしれないが、「構成がどうとかは上手くなってから言え。雑魚は黙ってろ」みたいな意味合いは全くないのでご了承いただきたい。ただ順序として、実力の次に構成があるんだよということを言いたかっただけなのだ。

また、今回何故この題材で記事を書いたのかというと、野良で味方の構成に文句をつけている人が多すぎるからだ。味方がどんな構成だろうと、あなたが強ければ試合には勝てるはずだ。試合に勝てない要因を味方に求めるのは間違っている。

*1:ワントリックポニー。一体のヒーローしか使わない人